年齢を重ねるごとに「昔より太りやすくなった」と感じる人は少なくありません。
食べる量は変わらないのに、体重が増えたり、体型が崩れたりする背景には、“筋肉量の減少”が深く関わっています。
筋肉は、ただ体を動かすだけでなく、体温を保ち、エネルギーを消費し、代謝を支える重要な役割を持っています。
特に何もしていなくても消費されるエネルギー「基礎代謝」の多くが、筋肉によって生み出されているのです。
ところが、筋肉は20代をピークに、何もしなければ年に1パーセントずつ減少すると言われています。
30代、40代、50代と年齢を重ねるにつれて、「同じ食事」「同じ生活」をしていても太りやすくなるのは、筋肉の減少により基礎代謝が下がってしまっているからです。
さらに、筋肉が落ちると体のバランスも崩れやすくなります。
姿勢が崩れ、関節に負担がかかりやすくなったり、疲れやすくなったり。
その結果、ますます動かなくなり、筋力がさらに低下するという悪循環につながります。
太りやすさだけでなく、冷えやむくみ、肩こり、腰痛なども、実は筋肉量の低下が引き金になっているケースは少なくありません。
では、どんな対策ができるのでしょうか。
まず大切なのは、日常の中で「筋肉を使う機会を意識的に増やすこと」です。
エレベーターではなく階段を使う、少し遠回りをして歩く、こまめに立ち上がる。
そうした小さな動きの積み重ねでも、筋肉はしっかり刺激されます。
もちろん筋肉を増やすためには、軽い筋トレや体幹トレーニングも効果的です。
週に2、3回でも十分ですので、まずは無理なく続けられるメニューを選ぶことが大切です。
そして、筋肉を作る材料となるたんぱく質をしっかりとることも忘れずに。
食事と運動のバランスが、代謝の土台を支えてくれます。
「運動が苦手」「忙しくて時間がない」と感じる人でも、筋肉を意識した生活に少しずつシフトしていくだけで、体は確実に応えてくれます。
筋肉は、体型だけでなく、健康そのものを支える“隠れた資産”です。
太りやすさが気になり始めた今こそ、自分の筋肉と向き合ってみませんか。