正直に言います。
12月は、健康を完璧に頑張らなくていい月です。

この時期になると、「運動できていない」「食事が乱れている」「体重が増えた気がする」と、自分を責める声をよく聞きます。
でも、それはあなたの意志が弱いからではありません。
12月という季節そのものが、そうなりやすい構造になっているのです。

寒さで体はこわばり、日照時間は短くなり、仕事も人付き合いもピークを迎える。
イベントや外食が増え、生活リズムが乱れるのは自然なこと。
この状況で「いつも通り完璧に健康管理をしよう」とする方が、実は無理があります。

健康やフィットネスの現場で多くの人を見てきて感じるのは、
12月に一番体調を崩すのは、“頑張りすぎる人” だということ。
食事を抜く、無理に運動する、体重の数字に振り回される。
こうした行動は、かえって疲労とストレスを溜め込み、年明けに一気に崩れてしまいます。

12月に必要なのは、100点の健康ではありません。
60点をキープする意識です。
湯船に浸かれたらOK。
一日一回、体を動かせたらOK。
食べすぎた日があっても、翌日に整えればOK。
「できたこと」に目を向けるだけで、体も心も驚くほど安定します。

本当に大切なのは、体を敵にしないこと。
「ダメだ」「またできなかった」と責めるほど、体は緊張し、回復から遠ざかります。
逆に、「今はそういう時期」と受け入れられる人ほど、年明けの立て直しが早いのです。

12月は、走り切る月ではありません。
一区切りをつける月です。
一年頑張ってくれた体をねぎらい、無理をさせない。
それが、来年を軽やかに始めるための一番の近道になります。

健康は、短距離走ではなく長距離走。
12月はペースを落としていい。
深呼吸をして、体に「お疲れさま」と声をかける。
それも立派な健康習慣です。